緊急事態宣言というのは、改正新型インフルエンザウイルス特別法に基づいて発出されたものです。
簡単に言えば、この宣言に基づいて対象となった都道府県の知事が、住民に対する外出の自粛、各種施設の使用停止などを要請したり指示したりすることができるようになります。
まずは外出の自粛が呼びかけられている
既に対象地域となった都道府県に住んでいる人はもちろん、それ以外の地域に住んでいる人であっても内容はある程度把握しているでしょうし日々の生活でも実感していることでしょうが、まずは外出の自粛が呼びかけられています。
それと並んで例えば夜の接客を伴うような飲食店とかバー、カラオケボックスなどいわゆる3密を伴うような施設の営業停止の要請が行われたりもしています。
海外のニュースを見ている人なら把握しているでしょうが、海外ではより強制的な措置が行われている国もあります。
いわゆるロックダウンと呼ばれているもので、食品とか医薬品など最低限必要と思われる店以外は営業禁止としたり、電車やバスなどの公共交通機関の運行停止措置を取ったりしています。
住民に対しても、食品や医薬品など最低限必要なものを購入する際以外には、たとえ仕事であったとしても外出を禁止している国もあります。
ロックダウンと緊急事態宣言は違う
緊急事態宣言とは、このようなロックダウンと似たようなものかというと実はかなり大きく異なります。
一つはもちろんその範囲です。
日本では、3密と思われるような施設に限って営業停止の要請を行っているだけであり、もちろん自主的に営業を休止しているお店などは多いものの、普通の飲食店、スーパー、コンビニ、ホームセンターなどまで自粛を求めている訳ではありませんし、仕事での通勤についても、在宅勤務を推奨してはいるものの決して禁止したりしている訳ではありません。
電車やバスなどの公共交通機関も、多少の影響はあったりするものの基本的には平常通り運行されています。
そしてもう一つの違いはその強制力です。
海外ではロックダウンの措置は強制であり、違反すると罰金などの刑罰が待っているところもあります。
一方で日本はあくまで要請、つまりお願いレベルであり、仮にその要請に従わなかったとしても罰則はありません。
ただ、各種施設の場合は、要請に従わないと指示という一段階高いレベルのお願いとなり、指示にも従わない場合は施設名の公表という措置が取られます。
緊急事態宣言が発出された理由
社会情勢を鑑みて、施設名を公表されることは経営者にとってはかなりの死活問題となる可能性もあるでしょうから、事実上は強制されているものと考えても良いかもしれません。
このような緊急事態宣言が発出された理由は、人と人との接触を避けることがこれ以上の感染の広がりを抑制するために最も重要だと考えられているためです。
あるシミュレーションによると、人と人との接触を8割削減することができればウイルス感染は次第に収束に向かうとされています。
ちなみに、接触といっても具体的なイメージがなかなか湧かないかもしれませんが、5分程度向かい合って話すとかそれ以上のレベルと思えばよいでしょう。
つまり、ただ道すがら向こうから来る人とすれ違うといったレベルのものはそもそも接触とは見なしません。
宣言の効果ですが、やはり本当に8割削減することは相当に努力を必要とするものと思われ、即座に達成できている訳ではありません。
あくまで全体として8割減を目指す
ですが、徐々に効果を発揮してきています。
私たち自身としても、例えば夜の飲み会とか懇親会といったものはこの際100%諦めること、買い物などの日常的な外出も、例えばまとめて買うようにするとか、これまで二人で行っていたものを一人だけにするなどの工夫によってある程度減らすことが必要です。
一方で、仕事のために通勤をしないといけないという人は、100%はもちろんのこと8割減らすことも現実的でないかもしれません。
そんなことをしては会社をクビになるかもしれませんし、いくら在宅勤務を推奨されたところで、それこそ肉体労働をしている人とか工場で機械操作をしている人、トラックなどの運転手、接客が必要な仕事をしている人など不可能な場合もあるでしょう。
あくまで、全体として8割減を目指すということで、一人一人はそのことを念頭に置きつつ自分でできる限りのことをする必要があります。
なお、緊急事態宣言はいつ終了するかというのは今の時点ではなかなか読めないところがあります。
そもそもウイルスには潜伏期間もありますから、外出を止めたからと言って即座に感染者が減少に転じるわけではありません。
いま発症した人は2週間前に感染した人だということもできますから、外出を止めてもその効果が表に出てくるのは2週間後と想定されています。
まとめ
そして、さらに2週間程度様子を見て、本当に収束に向かいそうだということになって始めて宣言の解除という流れになるでしょう。
もちろん、宣言を解除して再び以前と同じような人の流れになれば流行が再燃する可能性もありますから、難しい判断を迫られることになりそうです。
最終更新日 2025年7月20日 by furiwa